研究開発における
コンプライアンス

イーエヌ大塚製薬株式会社(以下「イーエヌ大塚製薬」といいます)では、企業理念・企業ビジョンのもと、より優れた 『栄養』に係わる独創的な製品の研究・開発に取り組んでいます。その活動を実施するにあたり、生命倫理を含めた高度な倫理観に基づいて、法令遵守はもとより社内管理体制として 「イーエヌ大塚製薬株式会社 行動憲章」 並びに 「イーエヌ大塚製薬株式会社 行動基準」 を制定し、これに準拠した行動をしています。

私たちは、これからも倫理に配慮した取り組みに努め、『栄養ケアのサポーター』 として、エビデンスに基づいた栄養ケアのための製品及び情報を提供し、世界の人々の健康長寿に貢献してまいります。

基礎研究におけるコンプライアンス

動物実験

イーエヌ大塚製薬は、企業理念・企業ビジョンのもと、疾病の治療や人々の健康の維持・向上に貢献する製品の研究・開発及び改良に積極的に取り組んでおります。これらの研究開発には動物実験は不可欠です。

私たちは、「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」 と 「厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針」 に則り 『動物実験等に関する規程』 を整備し、動物実験倫理委員会を設置して、3Rの原則[*]に配慮しております。

また、実験動物の飼育管理並びに動物実験の適正な実施への取り組みは、自己点検・評価を実施して常に改善に努めております。

当社では、2003年に敷地内へ動物慰霊碑を建立して毎年慰霊祭を執り行い、従業員が動物の御霊に感謝しその安らかな眠りを祈る場としています。

*:3R:Replacement(代替法の利用)、Reduction(使用動物数の削減)、Refinement(苦痛軽減を中心とする動物実験の洗練)による動物実験の国際原則。

 

人由来試料を用いた研究

人の情報や試料(組織、血液など)を用いた「基礎研究」を行う際には、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(文部科学省・厚生労働省)」ならびに「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(文部科学省・厚生労働省・経済産業省)」を遵守いたします。

 

病原性微生物/遺伝子組換え生物を用いた研究

病原性微生物及びこれらを含有する可能性のある研究試料の使用においては、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」を遵守するとともに、これら病原性微生物等の取扱い・保管及び環境確保に必要な安全管理について社内規程を整備し、社員教育を通して実験事故の未然防止に努めています。

遺伝子組換え生物を用いた実験においては、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」を始めとする関連政令・省令を遵守するとともに、社内審査委員会を設置し、遺伝子組み換え生物の特性、拡散防止措置等を審査することにより、環境被害をもたらさないよう十分な配慮をしています。

治験・臨床研究におけるコンプライアンス

治験、臨床研究 (医師等と共同で実施するものを含む)
新薬や新しい治療法の開発においては、患者さん等のご協力による治験又は臨床研究を実施して、その効果や安全性を確認する必要があります。イーエヌ大塚製薬では、以下の法令、規制要件、ガイドライン等を遵守して、治験及び臨床研究を実施しています。

 

治験

医薬品としての国の承認を得るために実施する臨床試験を「治験」と言います。治験においては、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(厚生労働省)」及び「医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP省令・厚生労働省)」を遵守しています。

 

臨床研究(医師等と共同で実施するものを含む)

傷病の成因及び病態の理解並びに新たな治療法及び予防法の確立等を目的とし、患者さん等を対象とした研究を一般的に「臨床研究」といいます。臨床研究においては「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(文部科学省・厚生労働省)」を遵守しているほか、「臨床研究法」に規定される特定臨床研究については当該法及び関係省令を遵守いたします。

 

また、社内に治験審査委員会(臨床研究では社外の審査委員会も含む)を設置して、治験及び臨床研究の倫理的妥当性、科学的妥当性、参加される方の安全性及び試験実施体制の利益相反等について審査することにより試験の適正性及び信頼性を確保しています。実施に際しては社内規定・業務手順書等を遵守するとともに、治験ではご協力いただける方の自由意思による文書同意(インフォームド・コンセント)の取得を必須としています。

なお、治験、臨床研究の実施に伴って取得した個人情報等は、イーエヌ大塚製薬の「個人情報保護規程」等に従い、適切に取り扱います。

 

研究者主導臨床研究への支援

社外の研究者(大学・病院に属する医師等)が自ら発案し、研究者、実施医療機関の法的責任及び倫理的責任の下で実施する臨床研究のことを「研究者主導臨床研究」といいます。

イーエヌ大塚製薬では傷病の成因及び病態の理解並びに新たな治療法及び予防法の確立等を通じて、医学・科学に貢献するために研究者主導臨床研究を支援しています。

研究者主導臨床研究の支援に際しては、社内臨床研究審査委員会にて、研究内容の科学的合理性、倫理的妥当性、有害事象発生時の対応、関連法規等の準拠、研究結果の信頼性確保及びイーエヌ大塚製薬が資金提供等の支援をすることの妥当性等について厳格に審査を行っています。

また、支援にあたり、「医療用医薬品等を用いた研究者主導臨床研究の支援に関する指針(日本製薬工業協会)」及び社内規程を遵守しているほか、「臨床研究法」に規定される特定臨床研究への支援については当該法及び関係省令を遵守いたします。